珈琲豆知識(珈琲ができるまで編その7-グレード)
おいしい珈琲を飲んでいただくために必要なこと。コーヒーの品質を示す指標もその一つだと思います。おいしいかおいしくないか飲んでみなければ皆目わからないでは困ってしまいます。それは喫茶店で飲む一杯の珈琲であろうが、ロースターが購入する何十キロの生豆の麻袋であろうが同じです。また、生産者にとっても付加価値を高め高額に販売するためにも、評価の指標は重要なことでもあります。
日本では2000年以降耳にするようになったスペシャルティコーヒー。これも品質を示す世界標準の指標となります。
2003年に設立された日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)ではスペシャルティコーヒーを「From seed to Cap(種からカップまで)」という概念のもとトレサビリティが明確で高いクオリティを持ち個性的な風味を持ち美味しいコーヒーあることとしています。
ピラミッドグラフで表したコーヒーの区分けを添付しました。ご覧になったことのある人もいらっしゃるかと思います。
・最上位にスペシャルティコーヒー(流通量の約5%)
・次が生産地域や農園、品種が限定されたプレミアムコーヒー(流通量の約10%)
・さらにその次がコモディティコーヒー(流通量の約50%)産地規格で流通する最も一般的な豆。国名標記のみの豆はほぼこの規格と思われます。
・最下位にローグレードコーヒー(流通量の約35%)安価なレギュラーコーヒーやインスタントコーヒー、缶コーヒーなどに使われる豆となります。
これらは世界標準のプロトコルで定めれたカッピングという方法で味覚審査をします。
スペシャルティコーヒーとして流通販売するにはこのカッピングにおいて80点以上の評価をQグレーダーというに認定資格者がしなければなりません。プレミアは76点以上。コモディティはそれ以下となります。
このQグレーダーという資格者は日本国内では300人ほどしか存在していません。確かな経験と知識、感性を持った方々がスペシャルティコーヒーの品質を守っています。
スペシャルティコーヒーの定義は単に品質だけではなく、トレサビリティも問われています。単に生産国の表記だけでなく栽培された地域、農園。品種や栽培方法、精製方法などが明確であることが求められます。また、フェアトレードや環境保護などサステナビリティの観点も注視されてきました。
その他にも生産国基準でグレードを示した指標が製品名として付与され流通している場合があります。参考レベルに付加しておきます。
1)標高-標高が高いほどグレードが高い。メキシコ、グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル等々中米エリアに多いグレード表記です。
2)スクリーンサイズ-豆サイズが大きいほどグレードが高い。ケニア、タンザニア、コロンビア、キューバなどに見られます。
3)欠点豆の数-欠点豆の数が少ないほどグレードが高い。エチオピア、インドネシアなどに見られます。
しかし、国によって判断基準がまちまちで味わいの評価ではありませんので間接的な情報として参考レベルに留めるべきなのだと思います。