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珈琲豆知識(珈琲ができるまで編その6-精製2)

3、パルプドナチュラル(セミウオッシュド)
収穫→貯水槽→パルパー(果肉除去)→乾燥→脱穀→出荷

ナチュラルが主体だったブラジルで大規模生産を実現するため短時間で乾燥することを目的に考えられた製法です。ウオッシュドと同様にパルパーで果肉除去後、ミュシレージがついたまま乾燥させて脱穀し出荷する。

ナチュラルとウオッシュドの中間的な味わいで、ほどよいコクと甘みややわらかい酸を感じることができ大量の水が確保できない産地でも処理できるメリットがあります。しかし、乾燥時に発酵豆や欠点豆が生じる可能性が高い製法でもあります。

4、ハニープロセス

コスタリカで始まり中米を中心に行われている製法で基本的にはパルプドナチュラルと工程は同じですが、ミュシレージをどれだけ残して乾燥させるかで味わいをコントロールする製法です。

最も除去したものをホワイトハニー、イエローハニー、中間がレッドハニー、最も残したものをブラックハニーと呼びます。

メリット、デメリットはパルプドナチュラル同様コーヒー豆自体にに甘みやコクが加わることですが、乾燥時に発酵豆や欠点豆が生じる可能性が高いことも同じです。

5、スマトラ式
収穫→果肉除去→簡易乾燥→脱穀→本乾燥→出荷

インドネシア独特の製法で、生産農家で収穫と果肉除去し軽く1度目の乾燥した後、生乾きの状態で保管され出荷前に脱穀後に2度目の本乾燥を経て出荷されます。その為、変形したりカビが生えたりと欠点豆ができやすいのが難点です。

インドネシアは雨季と乾季が明確でないため乾燥を短時間で処理するために考えられた精製方法で、ハーブやシナモンを思わせる独特な香りと酸、マイルドなコク、クリーンな後味などが特徴です。

6、アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)

新しい精製方法のひとつで、元々はワイン醸造の技術を取り入れた製法です。果肉除去後のミューシレージついた状態で発酵槽に入れ、酸素を遮断した状態で一定時間コーヒーを置く。こうすることで酸素のないところで活動する嫌気性微生物が発酵を助け、ミューシレージが柔らかくなる。そのまま乾燥させた場合を「アナエロビック・ナチュラル」と呼び、水で洗って乾燥したものを「アナエロビック・ウォッシュト」と呼びます。

その他にも嫌気性発酵を果肉のついた状態と果肉を除去したミューシレージの状態で二度繰り返す「ダブルアナエロビック」。
果肉除去後の嫌気性発酵時に窒素や二酸化炭素を充填する「カーボニックマセレーション」などもあります。

また、嫌気性発酵させたコーヒーチェリーの果肉と表皮を粉砕して果汁を作り。その果汁にパーチメントを漬け込み嫌気性発酵させる「ゴールドウォッシュ」などの製法が出てきており注目されています。

いずれの製法も香りも味わいもコーヒーとは思えないほどの果実感があります。しかし、期待感から高額で取引されている印象があり、行き過ぎた発酵感は発酵臭に感じることもあります。賛否が分かれるところでもあります。