珈琲豆知識(珈琲ができるまで編その5-精製1)
精製とはコーヒーの果実であるコーヒーチェリーを収穫してから生豆(グリーンビーンズ)を取り出すまでの処理プロセスをいいます。
コーヒーチェリーは外側から果皮、果肉、ミュシレージ(粘膜質)、パーチメント、シルバースキン(チャフ)、そして種子(生豆)と幾重にも層になっておりパーチメントまでを剥がした状態で出荷が行われます。
この処理の仕方によって珈琲の味わいが大きく違ってくるので大変重要なプロセスになります。
大きく分けると収穫したコーヒーチェリーを天日乾燥したのち外皮や果肉、パーチメントを脱穀するドライプロセスと、水に浸け果肉を除去したパーチメントコーヒーを乾燥し脱穀するウエットプロセスに分けることができます。
産地における日照、水源等の自然環境による適性や改良改善、新技術の開発よって現在では多くの精製方法がおこなわれています。
1、ナチュラル
収穫→天日乾燥→脱穀→選別→出荷
最も古くから普及している伝統的な製法です。収穫した果実を乾燥場(アフリカンベッド・パティオ)に広げて、天日干しにする。乾燥後脱穀して出荷される。
メリットとしては複雑な工程がないことと多くの設備を必要としないことと華やかで果実味のあるフレーバーが加わることが期待できることです。しかし、未成熟豆や異物の混入や長期間の乾燥過程で不快なフレーバーが加わる可能性があるというデメリットもあります。
2、ウオッシュド
収穫→貯水槽→パルパー(果肉除去)→発酵槽(ミュシレージ除去)→水洗→乾燥→脱殻→出荷
広く用いられている精製方法です。
コーヒーチェリーを貯水槽に入れ未成熟豆や異物を取り除きパルパーで果肉除去後、発酵槽でミュシレージを分解し水洗いと乾燥後脱穀して出荷される。
一旦水に浸けことによって選別が容易に行われことにより品質の均一性とクリーンな味わいが特徴となります。しかし、大量の水を必要とすることと発酵槽からの排水による環境汚染等が問題視されています。
その為、大量の水を必要としない機械によるミュシレージ除去が開発されましたがコスト面がネックで普及はしていません。これをメカニカルウォッシュド。従来通り、発酵槽を使う精製をフリーウオッシュドといいます。