
珈琲豆知識(抽出編その8-ペーパーフィルター)
「ペーパードリップで抽出前に湯通しするのは当たり前?」
YouTubeなどを見ていると「ペーパーはリンス(湯通し)しましょう」と耳にすることがよくあります。みなさんはどうされていらっしゃいますか。
なぜ、湯通しするのか?器具を温めるためと紙臭を洗い流すためというのが一般的な答えのようです。
確かに器具を温めることは必要だと思っています。温かな湯を使いながらドリッパーやサーバー、カップが冷たいままでしたら急激に温度が下がっておいしさが半減してしまいます。
では、本当に臭いが気になることありますか?確かに漂白していない茶色の未晒しであれば感じる方は多くいらしゃると思います。しかし、少なくともドリッパーメーカーで販売されている漂白製品で臭いを感じることは少ないと思います。
では、何故そのようなことが常識となったのでしょうか?かつては塩素漂白であったり接合部にノリが使用されていたり湯通しする必要性があったためと考えます。現在は塩素漂白から酸素漂白に変わり、接合部にはノリは使われていないためその必要性は減少したと考えます。
逆にしない理由として言われているのは
1、お湯がペーパーとドリッパーとの密着性を高め、蒸らしの際のガス抜けを妨げる。結果として抽出効率を損なう。
2、お湯で濡れたペーパーがフィルターの効果を高め油分などの珈琲成分が透過しづらくなる(これは逆も真なりで雑味が透過しづらくなってクリアーな味わいになるという考え方もあります)。
3、抽出前にペーパーに含んだ水分とセットしたコーヒーの微粉が抽出をはじめ過抽出となり雑味を増してしまう。
等々言われています。そこで、そらや的結論。
1、しっかりしたメーカーの製品を買う。
2、紙臭が気になる方は湯通しする。
3、スッキリした飲み口のコーヒーが好きな方、もしくはそうゆう気分の時は湯通しする。
4、しっかり淹れる珈琲の持つ特性やコク旨みをより感じたい方は湯通ししない。
そらやはどうしているかというと、予めサーバーやカップは温めた上で湯通しをせず抽出を開店以来続けております。ちなみに使うペーパーフィルターは何年か前からCAFEC(三洋産業)アバカフィルターWhiteを使用しています